最高級の干しあわびは、日本産
テレビ東京の「ガイアの夜明け」で「日本人の口に入らない貴重な高級食材」として取り上げられた日本産の干しあわび。
干しあわびとは、漁獲された活あわびの殻をとり、茹でた後に天日で乾燥させたものです。あわびは干すことで旨味が増し、戻した時により深い味わいが得られます。
詳しくは、
「ふくあわびができるまで」をご覧ください。
最高級とされる干しあわびが日本で生産されていることは意外と知られていません。
干しあわびは古くは江戸時代から日本で生産され中国に輸出されており今に続いています。青森や三陸を中心とする東北地方太平洋岸で獲れる天然蝦夷あわびを原材料として江戸時代から続く伝統の「干し」技術を使って作ったものは、現地で最高級と評価されており、日本産の干しあわびは常に高値で取引されており、ブランド化しています。中国で最高級の干しあわびのブランド名になっている「吉浜(キッピン)」は岩手県の干しあわび産地の地名からとられています。
一方、干しあわびは中国料理の食材ということもあり、日本国内ではほとんど流通していません。東北地方で生産された干しあわびはほとんどが海外に輸出され、国内で食べようとすると逆輸入せざるを得ず、極めて高価な食材となり日本国内の高級中国料理店でも手がだせないのが実情でした。
中国では三大食材のひとつ「乾鮑(カンパオ)」
中国では干しあわびを「乾鮑(カンパオ)」と呼び、”ツバメの巣”、”フカヒレ”と並ぶ三大食材のひとつで、お祝い事などでの縁起物としてとても珍重されています。干しあわびは乾燥させることで、あわびの旨味と風味が凝縮され戻した時に、より深い味わいが得られます。中国ではその貴重さからお金にも例えられ「乾貨」とも呼ばれてもいます。
また、“一生に一度は両親に食べさせたい”という、家族の幸せと豊かさの象徴とされています。
それは、あわび自体が高価であることに加え、上質なスープの味を含んだ滋味豊かな独特の味わいは、噛めば噛むほどに「太陽の味が口の中に広がる」と表されるほど味わい深く、代々語り継がれているからです。